アイランズモルトとは、スコットランドの北から西側へ広がる島々に点在している蒸留所が作るシングルモルトウイスキーです。
現在は、6つの島に蒸留所があり、それぞれに特徴的なウイスキーを作っています。
近年、蒸留所の建設が相次いでおり注目度が増しています。
ウイスキーの聖地として知られる「アイラ島」は、蒸留所の数も多く特別な存在として独立させるのが一般的です。
もちろん、アイランズモルトの島々も個性豊かな島なので、必ずあなたのお気に入りを見つけられるはずです!
アイランズモルトの特徴
アイランズモルトは蒸留所のある島ごとにそれぞれ特徴があり、個性のあるウイスキーを作っているので一つひとつの島ごとにご紹介します。
オークニー諸島
オークニー諸島は、70の島々で構成されており、中心地のメインランド島に2つの蒸留所が存在しています。
スコットランド最北端(北緯59度)の地域ですが、冬場でも平均気温は氷点下にはならず比較的温暖な気候といえます。
年間の平均気温は約10℃ですので、冷涼ですが年間を通して安定した気温です。
この安定した気温がウイスキーの熟成にも良い影響を与えていると言われています。
温暖な気候に加えて土壌が肥沃であるため、古くから人々が住み発展してきた地域でもあります。
メインランド島には、旧石器時代やヴァイキングなどが残した遺跡が数多く点在しており、世界遺産「オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地」として登録されています。
ほんと、神話の世界ね。
オークニー諸島へはフェリーで訪れるのが一般的です。
本土のブリテン島最北のサーソーからメインランド島のストロムネスまで運航しています。
では、オークニー諸島の蒸留所を見ていきましょう
ハイランドパーク蒸留所
ハイランドパーク蒸留所は、北緯58.98度にありスコットランド最北端の蒸留所です。
麦芽乾燥に使うピートは島内から切り出しており、オークニーのピートはヘザー(ツツジ科の植物)が豊富なため、麦芽にフローラルな香りとスモーキーさをまとわせます。
ハイランドパークのウイスキーは、ボトルデザインが抜群にかっこよく、店頭でもすぐに目に飛び込んできます!
通常のリリースも豊富ですが、スペシャルリリースも多く、BARなどで見つけて飲み比べてみるのも楽しいですね。
是非、探してみてください。
ビジターセンターも充実しており、ツアーも£30(5,000円程度)で3種類のウイスキーを試飲できお得な内容になっています。
ツアーはこちらから。
スキャパ蒸留所
スキャパ蒸留所は、ハイランドパーク蒸留所の少し南、スキャパピーチの脇に建っています。
目の前に広がるピーチと周りの麦畑、そして蒸留所の白壁のコントラストは抜群にかっこよく美しいです!
スキャパ蒸留所の特徴は、ノンピートの麦芽を使用することで甘くてトロピカルな風味がダイレクトに味わえるところです。
また、世界で唯一ローモンドスチルを使用し蒸留しています。
このスチルを使用することで、よりフルーティーな味わいのウイスキーが作られます。
現在リリースされているのはスキレンのみとなっていますが、2015年に完成したビジターセンターに行けば、蒸留所限定のボトルも買えるようです。
ツアーは£25(4,000円程度)で開催されており、バーボン樽とシェリー樽のウイスキーを味わえるようです。
ツアーはこちらから。
ルイス島(ハリス島)
ルイス島は南部をハリス島といい、南北で島の名称がちがう珍しい島です。
島の特産品は、地元の羊毛から作られる「ハリス・ツイード」が有名!
この島には、近年設立された蒸留所が2つありますが、生産量が安定していないのでお目にかかることは難しいかもしれません。
アビンジャラク蒸留所
アビンジャラク蒸留所は2008年に設立された振興の蒸留所です。
設立から10年が経過し、少しずつ熟成がすすんだウイスキーがリリースされていますが、もともとの生産量が少ないので入手しづらいでしょう。
公式WEBサイトで、販売はしていますが入手は難しいかもしれません。
今後、生産量が安定すればBARなどで見つけやすくなるかもしれません。
見つけたときは、迷わず飲んでみましょう!
新しい情報があれば、随時更新していきます!
アイル・オブ・ハリス蒸留所
アイル・オブ・ハリス蒸留所は、島の南部ハリスにある蒸留所で設立は2015年9月と新しく、今後の発展が期待される振興の蒸留所です。
現在は、ハリス島発のシングルモルトウイスキーを熟成中で、リリースまではもう少し時間がかかるようです。
それまでの間は、ハリス・ジンというジンを販売しています。
ウイスキーが熟成されリリースされる日が待ち遠しいですね!
どちらの蒸留所もリリースされるまで、しっかりウォッチしていきます!
スカイ島
スカイ島は、ルイス島に次ぐスコットランドで2番目に大きな島で、本土とはスカイブリッジという橋で結ばれています。
とにかく、大自然がつくる絶景の数々が魅力的な島で、フォトスポットには困りません。
現在、スカイ島には島の中央にタリスカー蒸留所、西側にトーレベイク蒸留所と2つの蒸留所があります。
タリスカー蒸留所
タリスカー蒸留所は、UD社が提唱したクラシックモルトシリーズでアイランズを代表するウイスキーを生産している蒸留所です。
タリスカーの特徴は、胡椒のようなスパイシーさと力強いスモーキ。そしてじわじわとくるフルーティーな甘みです。
蒸留所は、ハーポート湖のそばに建っています。
このハーポート湖、実は湖といっても完全に海とつながっているので、タリスカーのウイスキーは潮の香りも存分に取り込んだ風味に仕上がっています。
タリスカー10年はハイボールにしてもとてもおいしいウイスキーですので、生ガキなどの海鮮を合わせると最高の1杯になります。
ハイボールと生ガキ、最高ですね!
ビジターセンターは、ディアジオ傘下というだけあってしっかり作りこまれています。
ツアーもしっかり用意されており、必ず満足できると思います。
ツアーはこちらから。
トーレベイク蒸留所
トーレベイク蒸留所は2017年に設立されたスカイ島2つ目の蒸留所です。
公式WEBサイトによると2021年に新しいシングルモルトウイスキーをリリース予定となっていますが、2022年7月現在はリリースされていません。
リリースされるウイスキーはスモーキーでピーティーな味わいとのことで、これからが楽しみな蒸留所です。
ビジターセンターも併設しているので、ツアーも開催しているようですが、WEBサイトからだと詳細は判りませんでした。
こちらも今後に期待ですね。
マル島
トバモリー蒸留所はマル島唯一の蒸留所で、島の北側にあるトバモリーという港町にあります。
街はかなり小さいですが、海辺に建つ建物はカラフルできれいな街並みです。
トバモリー蒸留所で作っているウイスキーは、トバモリーとレダイグというブランドです。
トバモリーは、ノンピートタイプ。果実の甘さや潮の香りが楽しめます。
対してレダイグは、重めのピートタイプ。甘いけむり感を味わえるウイスキーです。
全くタイプの違うウイスキーをリリースしているめずらしい蒸留所ですね。
規模の小さい蒸留所ですが、ツアーは行っているようです。
£25(4,000円程度)で4種類のテイスティングができます。
所要時間は30分となっていますが、25mlを4杯で100mlです。
かなり駆け足での体験になることを覚悟したほうがいいかもしれません笑
ちなみに、BARなどで出てくるシングルショットは約30mlですので、結構飲めますね!
ツアーはこちらから。
ジュラ島
ジュラ島は、聖地アイラ島のすぐ東側に浮かぶ島で、人口約200人に対してシカが5,000頭生息しているとされるシカの島です。
ジュラ島とアイラ島はなんと0.7マイル(約1.1㎞)しか離れていません。
ジュラフェリーで5分あれば着いてしまう距離ですね。
ジュラ蒸留所は1963年、過疎化する島の雇用を守るために再建されました。
今では、多くの人が蒸留所に関係する仕事に就いています。
ジュラ蒸留所がつくるウイスキー、ジュラは隣のアイラ島とは差別化されています。
ジュラ10年は、バニラ・オレンジ・チョコレートのような香りと甘くなめらかな仕上がりとなっています。
熟成樽はアメリカホワイトオークのバーボン樽を使用し、仕上げにスペイン産のシェリー樽を使用しています。
しっかりとこだわりを持って作られているウイスキーだと感じます。
2022年7月現在、残念ながらツアーは休止中とのことです。
再開しましたら、情報を更新しますね!
アイラ島へ行った際にはジュラまで足をのばして、大自然とこだわりのウイスキーを堪能しましょう!
アラン島
アラン島には、北側にロックランザ蒸留所(旧アラン蒸留所)があり、南側にラグ蒸留所と2つの蒸留所があります。
ラグ蒸留所は、2019年にロックランザ蒸留所のオーナーが建設した新しい蒸留所で、ピートタイプのウイスキーを作っています。
ロックランザ蒸留所(アラン蒸留所)
ロックランザ蒸留所は、1995年6月29日午後2時29分に最初の蒸留が行われ8月17日オープンした比較的新しい蒸留所です。
今で言う、クラウドファンディングで資金を集め作られた蒸留所は、この場所に流れる高品質な水が蒸留所建設の決め手になりました。
エリザベス女王が来賓しオープンしたビジターセンターには、記念として贈られたウイリアム王子とヘンリー王子への樽が今でも眠っているとのこと。
いつか、ボトリングしてもらい世に出してもらいたいですね。
一体、いくらの値が付くのか想像ができませんが・・・
すばらしいビジターセンターがある蒸留所のツアーは、£12(2,000円程度)から実施されていますが、2022年9月~2023年まで蒸留所内で工事が行われるため休止になるそうです。
新しくなってから訪問したほうが良さそうですね。
ツアーの情報はこちらから。
ラグ蒸留所
ラグ蒸留所は、アラン島の南に2019年3月19日午後2時35分に最初の蒸留が行われました。
できたばかりの蒸留所ですね!
蒸留所は、とても近代的で建築物としても美しく楽しめる蒸留所です。
ウイスキーの熟成に3年かかるので、まだリリースされていませんがロックランザ蒸留所と違いピートを焚いたスモーキなウイスキーを作っています。
すでにビジターセンターはオープンしており、ツアーも開始されています。
ツアーは£12(2,000円程度)、テイスティングは£15(2,500円程度)です。
リリース間近のテイスティング、とても楽しみですね!
ツアーはこちらから。
とにかく、リリースされるのが待ち遠しいですね!
リリースされたら、アラン10年との飲み比べも楽しみです!
まとめ
アイランズモルトは、島々に点在しているだけあって、それぞれの蒸留所の個性が出やすいですよね。
いろいろ飲み比べるのが楽しいですね!
みどころ満載で観光も楽しそうだから蒸留所巡りもいいね。
これがおススメ!ではなく、全てがおススメですので見つけたらどんどんチャレンジしていきましょう!
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