レダイグは、マル島にあるトバモリー蒸留所で作られるウイスキーで、アイランズモルトとして人気の銘柄です。
トバモリー蒸留所では、ノンピートタイプの「トバモリー」とピーテッドタイプの「レダイグ」を作っていますが、今回はピーテッドタイプの「レダイグ」をご紹介します。
レダイグの特徴を簡単に・・・
- しっかりとしたピーテッドタイプ
- 港町特有のブリニーなテイスト
- マル島唯一の蒸留所
- 歴史は古いがブランドとして確立してきたのは最近になってから
テイスティングメモ
テイスティングメモ
2022年9月9日
やまや 4,400円
ストレートで飲んでみる
心地よいピート香で潮っぽさも感じる
スパイシー感と柑橘系の香り
オイリーで濃厚な味わい
トワイスアップで飲んでみる
ストレートより香りが広がる
マイルドになるからか、味わいががはっきりする
スパイシー感は薄れる
ハイボールで飲んでみる
さわやかなピート感
味わいもしっかり残っているのでおススメ
飲んだのが残暑の秋口だったからか、ハイボールのスペックがすばらしくよかったです!
少しアルコール度数が高いからハイボールで飲むと負担が軽くて飲みやすいのかもしれません。
最初はビール、今は?
トバモリー蒸留所のスタートはなんとビール醸造所!
1797年に57エーカー(約23万㎡、約7万坪)の土地のリース申請を行いますが、ウイスキー蒸留所の建設は認められずあえなく却下。
翌年1798年にビール醸造所として再申請し許可されます。
この時の名称はレダイグ醸造所。
戦争の影響とはいえ、最初に却下されたときは寝耳に水だったでしょう。
それまで、入念に準備してきたでしょうから。
そこであきらめずに、手を変え品を変えでビール工場でOKをもらうほど、この地でウイスキー造りがしたかったのでしょう!
設立当初は、ものすごい情熱のもと蒸留所建設を実行しますが、その後悲劇の運命を辿ってしまいます。
多くの期間、閉鎖に追い込まれたトバモリー蒸留所ですが、2019年の大規模改修時に新しい蒸留室を建設し、そこに「ウィー・メアリー」と呼ばれる容量60リットルの小さいスチルを設置しました。
このスチルでは現在「トバモリー・ヘブリディアン・ジン」というクラフトジンを生産しています。
このジンはマル島の植物を使って作られたジンで、新たなマル島の名産品になるかもしれませんね。
蒸留所を訪れた際はウイスキーにプラスしてぜひ飲んでみたいです!
蒸留所について
ロケーション
トバモリー蒸留所は、マル島唯一の蒸留所です。
マル島はインナーヘブリディーズ諸島(アイラ島やスカイ島も)ではスカイ島に次ぐ2番目に大きい島で、アイラ島の北側に位置しています。
アクセスはスコットランド本土のオーバンからフェリーで約45分。
クレイグニュアという港につきますが住民の多くがトバモリーに住んでいるので何にもない港です(笑)
トバモリーまでは約40分ほどかかりますが、海岸線の道路を走るので気持ちが良さそうです!
マル島周辺にはクジラやイルカが回遊してくるようで、ホエールウォッチングツアーも運行しています。
トバモリー港はカラフルな建物で有名ですが、なんとこの港で1588年スペインの無敵艦隊の1隻が爆発し、30万ポンドの金塊とともに沈んだとか。
さすがに引き上げられているとは思いますが、マル島には多くの沈没船がありダイビングスポットとして有名なのです。
筆者のダイビングをやるのですが、南の島ばかり潜っているのでマル島を訪れた際にはぜひ潜ってみたいですね!
特徴
トバモリー蒸留所では、ピーテッドタイプの「レダイグ」とノンピートタイプの「トバモリー」を期間を分けて6か月ごとに生産しています。
蒸留所の年間生産量が75万リットル程度ですので、レダイグの生産量は35万リットル程度でしょうか。
レダイグのフェノール値は38~40ppmで、アイラの王ことラガヴーリンと同程度です。
レダイグのオイリーで柑橘系の味わいを与えているのがスチルの最上部部分のS字カーブです。
このスチルはウォッシュスチル2基とスピリットスチル2基の合計4基あります。
レダイグの熟成はバーボン樽を主に使用し10年熟成(レダイグ18年は16年熟成後2年以上のシェリー樽フィニッシュ)させます。
アルコール度数46.3度も特徴的ですね。
ツアー
ツアーは、熟成庫の樽からテイスティングできるコースが£40(約6,500円)。
熟成の様子などを聞きながら樽から直接テイスティングができるコースで、限定品など4種類のウイスキーをテイスティングできます。
トバモリーとレダイグをテイスティングできるコースは£25(約4,000円)で参加でき、それぞれコアレンジと限定品を味わえます。
約4,000円で4種類のウイスキーをテイスティングできるなんて、かなりお得じゃないですか??
トバモリー蒸留所の特徴は、ウイスキーのツアーの他にクラフトジンのツアーもあることです。
こちらは、£18で4種類のジンを楽しめます。
ツアーはこちらから。
歴史
1797年 | 昆布商人だったジョン・シンクレアは蒸留所建設の申請を提出→却下される |
1798年 | ビール醸造所として再申請→許可! レダイグ醸造所(蒸留所)として創設 |
1837年 | ウイスキー蒸留所として許可される |
1878年 | 閉鎖 |
1890年 | オーナーが変わり再開 |
1928年 | サイド閉鎖 ここから40年以上閉鎖 |
1993年 | バーン・スチュワート・ディスティラーズが買収し以降安定営業 |
2013年 | ディステル・グループに買収 |
2019年 | 2年間の営業休止となったが大きな設備投資を行い蒸留所再開 |
こうしてみると、スコットランド最古に数えられる蒸留所ですが、安定した生産が出来ていなかった蒸留所です。
しかし、2000年代になり経営が安定し、大きな設備投資も行いビジターセンターも完成しました。
蒸留所の敷地自体が大きくないので大幅な増産は期待できませんが、安定した供給態勢ができたことから今後期待できる蒸留所ですね!
一緒に読んだ本
タイトル | 経営戦略の教科書 |
筆者 | 遠藤 功 |
出版社 | 光文社 |
発売日 | 2011年7月15日 |
読書メモ
企業経営の本質は、「価値創造」にある。
価値創造に成功しなければ、利益をあげることも、株主に還元することもできない。
競争という環境下においては、顧客に「選ばれる価値」を生み出さなければならない。
選ばれる価値とは、差別化された価値のこと。経営においては、経営資源を「傾斜配分」してこそ意味がある。
「選択と集中」とは、「自分たちがやらないことを決める」こと。
日々のオペレーションを遂行する「現場力」こそが競争力の源。
少し時代は古いが、経営戦略の本質を学ぶことができる。
即実践できる内容が多く、掴みやすく参考になった。
自分自身や周辺の会社では選択と集中をやりきれていないのではないか。
「やらないこと」を決めていないから、いつまで経っても伸びないのではないか?と感じた。
選択と集中の意味を今一度、考察してみよう!
まとめ
レダイグは、製造するトバモリー蒸留所が設立されたときの名称ですが、リリースされたのは2000年になってから。
蒸留所の長い歴史からみると新しい銘柄です。
しかし、しっかりと作りこまれたウイスキーで、蒸留所の意気込みが感じられます。
蒸留所自体も閉鎖期間が長く華々しい歴史とは言えませんが、大改修も終わり心機一転、今後のリリースが楽しみです。
レダイグとトバモリー、両方ならべて飲み比べなんかもいいかもしれませんね!
コメント