ザ・グレンリベットの特徴を簡単に・・・
- 政府公認第1号のシングルモルト蒸留所
- 特徴は、華やかな香りとフルーティーな味わい。
- ザ・グレンリベット12年なら気軽に購入できる。だいたい4,000円ほど。
1707年、スコットランドはイングランドに併合され不合理な弾圧の中、スコッチウイスキーに重税が課せられます。
そこで、イングランドから遠く離れ徴税人などの役人が簡単に来れない、ハイランドを中心とした場所でウイスキーの密造がさかんに行われるようになりました。
ある蒸留所は谷間にひっそりと。ある蒸留所は、島の沿岸で船の往来がよく見える場所など。
その後、蒸留したウイスキーを隠して保存・運搬するために木の樽が使われるようになります。
これがウイスキー熟成の始まりです。
当時の人々は琥珀色に変化していくウイスキーを心待ちにしながら、役人に見つからないようにひっそりと楽しんだことでしょう!
そんな時代にザ・グレンリベット蒸留所は初の政府公認蒸留所として誕生します。
「すべてのシングルモルトはここから始まった」と言ううたい文句の通り、シングルモルトウイスキーの原点といえる蒸留所です。
まさに、シングルモルトの原点。
初心者はここからスタートするのもいいですよ!
近所のスーパーにも売ってるし、お値段的にもゲットしやすいよね!
テイスティングメモ
ザ・グレンリベット12年
テイスティングメモ
2022年4月 3,850円
購入場所 目白 田中屋
ダブルオーク(アメリカンオーク&ヨーロピアンオーク)
ストレートで飲んでみる
華やかな香りとフルーティーな味わい。
ハチミツとドライフルーツのような甘みが広がる。
ピーティーさは無く、クリーミーな口当たりが続く。
トワイスアップで飲んでみる
華やかでフルーティーな香りがさらに広がる。
甘みも強いので持続する。
ハイボールで飲んでみる
さわやかで夏らしい味わいになるが、力強さはないかなという印象。
スペイサイド特有の華やかな香りを堪能するにはストレートがおススメ!
トワイスアップにすると香りが強調される。
お値段的にも普段飲みに最適な1本!
初心者の私でもすごく飲みやすかったですよ!
価格もお手頃で手に入りやすいので、ぜひエイジングを進めて飲み比べてみて下さい。
熟成の違いがわかりますよ!
ザ・グレンリベット トリプルカスクマチュアード ディスティラーズリザーブ
このグレンリベットは、海外の空港免税店向けボトル。
トラディショナル(ヨーロピアン)オークカスク、ファーストフィルアメリカンホワイトオークカスク、シェリーカスクの3種類のカスクを使用し熟成させボトリングされています。
特徴は、なんと言っても大容量1,000ml!!
トリプルカスクをたっぷりと味わえますね!
少し特別感を出したい食事にハイボールでどうでしょうか?
テイスティングメモ
2022年11月
トリプルカスクマチュアード
ストレートで飲んでみる
香りはバナナや洋ナシを感じるフルーティー
味わいは強めにシェリー感を感じる
アルコールっぽさも強め
トゥワイスアップで飲んでみる
少し加水すると、香りが引き立つ
アルコール感もいい感じに抜けて甘みが強調される
ただ、ちょっとフルーティー感は薄れる
ハイボールで飲んでみる
さわやかで飲みやすいハイボール
味わいもキープされているので美味しいハイボール!
食中酒としておススメ!
政府公認第1号
グレンリベット蒸留所も、他の蒸留所と同じく重税から逃れるためハイランド地方にあるスペイ川流域のリベット渓谷でウイスキーを作っていました。
良質な水と材料で作られ、熟成も経ているウイスキーは密造酒でありながら一世を風靡し、その名と味はイングランド国王であるジョージ4世まで知れ渡っていたのです。
1822年スコットランドを訪れたジョージ4世は「グレンリベットを飲ませろ」と言って取り寄せ、密造酒とわかっていながら誘惑には勝てず、グレンリベットを飲まずにはいられなかったとか。
1824年、オーナーであるジョージ・スミスは酒税法改正に合わせ、様々な基準をクリアして政府公認第1号の蒸留所として登録されます。
まさに、ここから始まった瞬間ですね!
当時、グレンリベット地区は密造所の一大拠点で通説には200を超える蒸留所が軒を連ねていたそうです。
そんな中、密造から抜けだし政府公認の業者へと変わったグレンリベットとジョージ・スミスは周りの同業者から裏切り者とされ、何度も命を狙われ「蒸留所と一緒に燃やす」とまで脅迫されていました。
しかし、味は確かだったグレンリベットを人々は買い求め、人気を博すとともにスミスは大成功を収めました。
その後、グレンリベットに続けとばかりに密造所がライセンスを取得し、密造酒時代は終わりを告げるのです。
グレンリベット地区では、スミスのグレンリベット以外にもその人気にあやかろうとグレンリベットを名乗る業者が数多くいました。
そこで、1884年ジョージ・スミスの息子であるジョン・スミスは定冠詞をつけ”The Glenlivet”と名称を定め、裁判で独占使用権を勝ち取ることに成功します。
以来、第2次世界大戦時の操業停止を除き製造を続けており、現在では年間およそ6百万本が流通しており、世界で1番売れているウイスキーの一つとなっています。
蒸留所の特徴
ロケーション
ザ・グレンリベット蒸留所は、スペイ川流域のリベット川のそばに建っています。
スペイサイド地域でも内陸・上流に位置します。
グレンリベットとは、ゲール語で「静かな谷」という意味。
この辺りは、ミネラルを多く含む地下水が豊富で、気温も冷涼で安定していることから、古くからウイスキー造りが盛んな地域でした。
特徴
水
ザ・グレンリベットに使用する水は、蒸留所周辺から湧き出るジョシーズ・ウェルの泉から採取しています。
この水は地下200メートルから湧き出る地下水で、水質はミネラルを多く含む硬水。
年間を通じて水温が安定しているためウイスキー作りに最適な水であり、ザ・グレンリベットの特徴である甘くフルーティーな香りを引き出すと言われています。
麦芽
大麦はスペイ川下流の東側、ポートゴードン村にあるクリスプ・モルトハウスのものを使用しています。
ポットスチル
ポットスチルは、ランタンのような細長い首の単式蒸留器を使用しており、この形状はすっきりとした味わいであるザ・グレンリベットの特徴を出すのに必要な要素となっています。
現在、ポットスチルは28基あり、年間生産量は2,100万リットルにのぼります。
この生産量はスコットランドのモルトウイスキーで最大規模となっています。
熟成樽
主に熟成に使用される樽は、バーボンに使用されたアメリカンオークの樽です。
一部の限定品などではシェリー樽やポート樽が使われています。
蒸留所ツアー
老舗蒸留所だけあって、立派なビジターセンターを備えています。
ツアーは£20(3,000円程度)から実施されており、ビジターセンターのすばらしいBARでリラックスしながら食事やウイスキーを楽しめます。
ここのビジターセンターは、ほんとにきれいで豪華ですよ!
ツアーはこちらから。
飲みながら読んだ本
タイトル | 人生を豊かにしたい人のためのウイスキー |
著者 | 土屋 守 |
出版社 | マイナビ出版 |
発売日 | 2021年3月24日 |
読書メモ
書いてあること
・シングルモルトウイスキーの歴史と背景
・なぜシングルモルトウイスキーはおいしいのか?をじっくり解説してくれる
・ウイスキー造りに情熱と魂を込めている人たちの熱い思いを知ることができる
・ザ・グレンリベットの成り立ちも詳しく解説されている。
ウイスキーの歴史を学べる良書。
筆者の分かりやすい解説でどっぷり沼にハマることができる!
ウイスキーを飲みながら飲んでいることに感謝できる本。
まとめ
イングランドへの併合から弾圧を受け、スコッチウイスキー不遇の時代を経て人々の知恵と、おいしいウイスキーを飲みたいという思いを受け継いだウイスキー。
そんな時代を経て、初めて政府公認となったザ・グレンリベットは、飲み進めるうちに当時ウイスキー造りに関わった人々の思いを感じることができるウイスキーです。
少し歴史を感じながら、ウイスキーのすばらしさをぜひ堪能してみて下さい!
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