ブナハーブンは、アイラ島の北東にあるブナハーブン蒸留所で作られるウイスキー。
その特徴はアイラモルトには珍しくピート香をあまり感じない、重厚でリッチな風味とフルーティーな甘みです。
ブナハーブンの特徴を簡単に・・・
- レギュラーボトルは、ほぼノンピート
- 主な熟成樽はシェリー樽
- 重厚でリッチな風味とフルーティーな甘み
- ピートを効かせたボトルもある
ブナハーブンとはゲール語で「川の口」を意味し、河口にある蒸留所という意味です。
仕込み水を引いているマーガデール川の河口、アイラ海峡と言われる海岸に蒸留所は建っています。
建設当時は道路はなく、ほぼすべての物資・人は船で運ばれたとのこと。
そんな辺鄙な場所ですが、ピート層を通っておらずピートの影響を受けない真水を入手することができるこの場所が、ブナハーブンのウイスキー造りに必要な場所でした。
ブナハーブンは、ノンピートの水とシェリー樽で熟成させることにより、アイラモルトですがどこかスペイサイドを思わせる重厚な風味を感じるウイスキーです。
アイラモルトの「あのにおいが苦手」と思われているウイスキー初心者のみなさん、ブナハーブンはそんな固定観念を忘れさせてくれるウイスキーですよ!
これはアイラモルトじゃない!と言われることもあるブナハーブンですが、かなりおススメです!
アイラモルトに少し抵抗があったけど、ブナハーブンはホントに飲みやすいウイスキーでした!
テイスティングメモ
ブナハーブン12年
テイスティングメモ
2022年4月29日 4,335円
ストレートで飲んでみる
重厚でリッチな風味と香り
濃厚な甘みとドライな印象
時間をおくと甘みが増してくる
少し加水してみる
香りがさらに広がり甘みが増す
少し加水するのがおススメかも・・・
半月ほど経った後ボトルを開けると、ハチミツのような甘い香りが一気に広がった!
濃厚な甘みが誘ってきます。
基本はストレートで。
少し加水していくと、変化が楽しめます。
ストレートから始めて少し加水していくと、香りが楽しめておススメです!
蒸留所について
ロケーション
ブナハーブン蒸留所は、アイラ島で最も北にある蒸留所でマーガデール川の河口に建っています。
目の前はアイラ海峡で、すぐそこにジュラ島の海岸線が美しく見渡せ、パップス・オブ・ジュラと呼ばれる山の稜線がその背後にそびえています。
ブナハーブン蒸留所へは、ポートアスケーグの港から北へ4.6マイル(7㎞程)ですが、道は車1台がやっと通れるほどの名もなき道。
蒸留所はそんな道の突き当りです。
この地は、ピートの影響を受けない真水を入手することができ、近くで高品質のピートが採れる場所でした。
また、建設当時の1881年は多くの物資を海上輸送で行っていたため、海のそばである必要があったんですね。
海から見た蒸留所は、どこかノスタルジックな雰囲気ですね!
特徴
モルトは、ノンピートタイプ60%とピーテッド(35ppm~45ppm)40%を併用して使用しています。
そこにマーガデール川の湧き水から引いた仕込み水を加え糖化させます。
ブナハーブンのマッシュタン(糖化槽)はアイラ島最大級の12.5トン。
ここで12時間糖化されます。
その後オレゴンパインを使用した木製の発酵槽に移され約100時間かけて発酵されます。
ポットスチルはウォッシュスチル2基とスピリッツスチルが2基あり、背の高いスワンネック型をしています。
このスチルでの生産能力は年間250万リットルありアイラ島でも有数の規模を誇っています。
熟成には、バーボン樽とシェリー樽を併用しており、熟成庫には14,500本の樽を収容することができます。
ブナハーブンは、「アイラでもっともマイルドなシングルモルト」とされ、アイラモルト特有のピート香がほとんどないのが特徴です。
しかし、以前はブレンデッド用にヘビーピートの原酒を多く生産していた時代もあり、その伝統を受け継いだピーテッドのウイスキーも生産しています。
近年、ピーテッドのタイプの人気も高まっており、現在は全体の40%程度はピーテッドタイプのウイスキーを生産しています。
ノンピートタイプを飲み尽くし、ブナハーブンファンになった方は、ピートタイプにも足を踏み入れてみることをおススメします。
蒸留所ツアー
ビジターセンターやショップは2021年に改修工事が終わり、素晴らしい設備になっていると思われます。WEBサイトには残念ながら改修後の画像がUPされていなかったので、どんな風になっているかは不明です。
UPされ次第、情報を更新しますね!
ツアーは、熟成庫の見学と4種類のテイスティングがついたコースが£40(6,500円程度)。
テイスティングのみのコースが£35(5,500円程度)~利用可能です。
ツアーはこちらから。
ショップも充実しており、蒸留所限定モデルも購入できるでしょう。
以前はあったコテージが改修工事によってどうなったかは、WEBサイトからは不明でした。
情報が更新されるのをチェックして、最新情報をアップしていきますね!
このロケーションだと、コテージに泊まるのも最高でしょうね!
歴史
1881年 | ウィリアム・グリーンリーズ、ジェームズ・グリーンリーズ、ウィリアム・ロバートソンはこの地に蒸留所を建設することを決める 設備総額3万ポンド、現在の価値で260万ポンド(約4億3千万円)を投資 |
1883年 | 生産開始 |
1886年 | 年間生産量が10万リットルに到達 ブレンデッドウイスキーの原酒としてアイラモルト需要が高まっていた |
1963年 | 世界的なウイスキー需要の高まりを受け生産能力増強のためにポットスチルを増設し4基とする |
1979年 | ブナハーブンとして最初のシングルモルトウイスキー「ブナハーブン12年」をリリース |
1982年 | 1984年までの3年間操業休止となる |
2021年 | 1,050万ポンド(約17億円)もの設備投資を行いビジターセンターなどの設備を増強 |
これからさらに発展していくことが期待されますね!
飲みながら読んだ本
タイトル | 人生の教養が身につく名言集 |
著者 | 出口 治明 |
出版社 | 三笠書房 |
発売日 | 2020年1月18日 |
読書メモ
書いてあること
・本とは、普段会えない人や歴史上の人物と読者が繋がれる唯一のツールである。
・経験豊かな筆者から学べることが多く、様々な事例から解説してくれる。
・いくつになっても発想豊かな人間であり続けるためには、一生学び続け、知識をインプットし続ける必要がある。
面白く、ワクワクさせられる本。
ウイスキーを飲みながら、目の前で本の登場人物と一緒に話している感覚になれる。
まとめ
アイラモルトのイメージとは異なった重厚でリッチな風味とフルーティーな甘みの12年。
アイラを感じさせるヘビーピートモデルのトチェック。
スモーキーな風味が苦手な方も、アイラ島のスモークを感じたい人も満足できるラインナップを有しているブナハーブン蒸留所。
アイラモルト初挑戦の初心者の方におススメできる蒸留所です。
今までアイラモルトに踏み入れていない方、そろそろアイラモルトに挑戦してみませんか?
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