フローラルな香りと、多彩なカスクフィニッシュ。
オリジナルのバーボン樽を存分に愉しんだ後でも、次々と新しい発見がある蒸留所、グレンモーレンジィ。
みなさんは、どのカスクから始めますか??
グレンモーレンジィの特徴を簡単に・・・
- フローラルでフルーティ、軽い飲み口
- 多くのカスクフィニッシュを楽しめる
- 特徴的なポットスチル
- モエヘネシー・ルイヴィトン社のエレガントさを感じられる
テイスティングメモ
グレンモーレンジィ ラサンタ12年 シェリーカスク
テイスティングメモ
ストレートで飲んでみる
香りはリッチで甘く、チョコレートやレーズン、フルーツの濃厚さを感じられる。
口に含むと、フルーティさが強い印象。シェリーカスクのリッチさが存分に味わえる。
トゥワイスアップで飲んでみる
加水すると、香りがグッと広がって甘みやフルーティさ、ケーキの様な濃厚なデザート感が増幅される。甘いだけではなく、スパイシー感もあり絶妙なバランス。
食後のリラックスタイムに最適な一杯。
ストレートよりも少し加水して香りを楽しみつつ、シェリーカスクのリッチ感を感じながら飲み進めるのがおススメ!
ポットスチルとカスク
蒸留所のポットスチルは全部で12基。これに新蒸留棟が完成し2基追加されています。
グレンモーレンジィと言えば、ポットスチル。
その高さは、5.14メートルありスコットランドで最大級のスチルとのこと。
公式HPでは、その高さをキリンと比べていますが、その高さを伺い知れますね。
この背の高いスチルが、グレンモーレンジィの特徴であるフルーティで華やかなウィスキーを作り出しています。
グレンモーレンジィと言えば、こだわりのカスクも特徴の一つです。
熟成樽に使用するホワイトオークを管理するところから始まり、2年の自然乾燥を経てバーボンウイスキーの蒸留所へ貸出し、熟成樽として使用します。
バーボン樽を使用することで、独特のバニラ香を引き出し、滑らかな質感を生み出します。
バーボン樽での熟成は、現在では多くの蒸留所が行っていますが、そのパイオニアがグレンモーレンジィなのです。
こだわりのカスクはデザイナーカスクと呼ばれ蒸留所オリジナルですが、そんなカスクも2回までしか使用しないという徹底ぶり。
また、多くのウッドフィニッシュ(後熟)を考案し、先駆けて行ってきた歴史から「樽熟成のパイオニア」と呼ばれています。
蒸留所について
ロケーション
グレンモーレンジ蒸留所はテインという街の中心部から、海沿いを車5分ほどの距離にあります。
北海に面したドーノック湾沿いに建っており、車で入っていくと石造りを思わせる外壁にオレンジ色のドアがついた、とてもおしゃれな蒸留所が見えてきます。
ドアの色は、蒸留所のブランドカラーにぴったりですね。
グレンモーレンジとはゲール語で「大いなる静寂の谷」という意味。
テインはスコットランドで最も古い街のひとつで1000年ほどの歴史がある街です。
大きな街ではなく、昔ながらの街並みで落ち着いた雰囲気ですね。
特徴
グレンモーレンジィでは現在、フロアモルティングは行っておらず、使用するモルトは業者からの仕入れです。
ピートは軽く、ほぼノンピートのものを使用しています。
仕込み水は、蒸留所が所有する泉から湧き出る水を使用していますが、ここの湧き水はスコットランドでは珍しい「硬水」です。
通常、ウイスキー造りには軟水が適しているとされていますが、ミネラルが豊富な硬水を使用する事で、クリーミーな質感やフルーティさを引き出すことに成功しています。
常識に捉われない発想が、グレンモーレンジィ独特の味わいを生み出しているんですね!
ポットスチルは上述した通り、首の長いスチルが特徴。
この長い首を蒸気が上っていくのですが、重い成分は上っていけないため、軽やかな蒸気のみを抽出することができるという仕組み。
熟成についても上述したとおり、熟成のパイオニアらしく現在のラインナップを見ても、シェリーカスクやポートカスク、ソーテルヌワインカスクなどのウッドフィニッシュを行っており、バラエティーに富んでいますね。
ツアー
蒸留所ツアーは、2つのコースが用意されており、1時間のコースで£20(3,700円程度)から参加でき、2種類のウイスキーを楽しめるお得なコースになっています。
ツアーの予約はこちらのリンクから。
ただ、この蒸留が他とは違うところは、なんと宿泊が可能だというところ!
現在のテーマは新発売の「Glenmorangie A Tale of Tokyo」となっており、ミズナラオーク樽を使用したウイスキーを楽しめる食事付きのコースとなっています。
お値段はセレブレティですが、ルイヴィトン社のホテルに宿泊すると思うと、まぁ妥当なお値段かと。
ちなみにお部屋はこんな感じ。
筆者は、宿泊まで手が届きません涙
女子力高くなりそう!!笑
歴史
1843年 | ウィリアム・マセソンが妻のアンと蒸留所を建設 |
1863年 | ジョンマセソン&Co社を創設 |
1887年 | グレンモーレンジ・ディスティラリー社を創設 |
1941年 | 生産停止 |
1944年 | 生産再開 |
1977年 | フロアモルティング廃止 |
1994年 | ビジターセンターオープン |
2004年 | モエヘネシー・ルイヴィトン社の所有へ |
2009年 | ポットスチルが増設され12基となる |
2021年 | 新蒸留棟(ライトハウス)完成 |
ガラス張りの新蒸留棟、ライトハウス。
ガラスの向こうにうっすらポットスチルが見えますね!
まとめ
どのカスクを飲むか決まりましたか?
オリジナルボトルは完成度が高くバランスが良いと評判のボトル。
まずはオリジナルから攻めるのが一般的ですが、筆者はシェリーカスクのラサンタから入りました。
この辺りは、好みとその時の気分ですよね。
ただ、ラサンタのデザート感・広がる香りに満たされた幸福感が最高でしたので、早くオリジナルを飲みたい衝動に駆られております笑。
みなさんも、是非最高の一本を見つけてくださいね!
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