スコットランドの南、ローランド地域を代表する蒸留所「グレンキンチー蒸留所」のウイスキーは、フローラルで口当たりがよく初心者におすすめのウイスキーです。
エディンバラ近郊にあるグレンキンチー蒸留所をご紹介します。
グレンキンチーの特徴を簡単に・・・
- フローラルな甘みと少しのスパイシー感
- ノンピートなのでスモーキー感は無し
- クラシックモルトシリーズ
- 大きいスチルが蒸留所の名物
テイスティングメモ
グレンキンチー12年
テイスティングメモ
2022年4月8日購入 4,730円(税込)
購入場所 目白 田中屋
ストレートで飲んでみる
フローラルな甘み・ハチミツの味わいの中にも少しスパイシー感もある。
トワイスアップで飲んでみる
ストレートの時よりも甘みが強調される。口全体に香りが広がる。余韻が長く続く。
オンザロックで飲んでみる
香りの広がりが少なく感じる。物足りない感じ。
ストレートもしくはトワイスアップがグレンキンチーの香りと甘みを十分に楽しめるのでおススメ。
クラシックモルトシリーズ
グレンキンチー蒸留所の主力ラインナップであるグレンキンチー12年は、クラッシックモルトシリーズの1つとなっています。
クラッシックモルトシリーズとは、ユナイテッド・ディスティラーズ(UD社)が1988年に提唱したスコッチ・シングルモルトウイスキーのシリーズです。スコットランドの各地域のウイスキーが6本選ばれており、初心者でウイスキー選びに迷ったときは頼りになる存在です。
- ダルウィニー (ハイランド 内陸)
- オーバン (ハイランド 海沿い)
- グレンキンチー (ローランド)
- ラガヴーリン (アイラ島)
- クラガンモア (スペイサイド)
- タリスカー (アイランズ)
蒸留所について
ロケーション
蒸留所はスコットランドの首都エディンバラの東、イースト・ロージアンにあります。
このあたりは、スコッチウイスキーの世界ではローランドと呼ばれる地域です。
ローランド(Lowland)はハイランド(Highland)と比べて文字通り低地が多く、肥沃な土地を利用した酪農や農業がさかんな場所でした。
今でも、グラスゴーやエディンバラのような都会的な一面を持ちながら、大麦畑が広がる光景を目にすることができる土地です。
グレンキンチーのキンチーはキンチー川、グレンはスコッチ好きにはおなじみですが、ゲール語で「谷」の意味。
キンチー川沿いのグレンにある蒸留所といったところでしょうか。
ローランド地方は、グレーンウイスキーを数多く作っていた関係でモルトウイスキーの蒸留所が、長い間3つしかありませんでした。
しかし、近年新しい蒸留所がオープンしている注目の地域です。
今後、安定的に製造されるようになり日本でも入手できるようになればいいですね。
特徴
グレンキンチーのスチル(蒸留器)は2基あり、ウォッシュスチル(初溜器)は容量30,963リットル
スコットランドで2番目に大きいスチルです。
蒸留所長いわく、
「発酵の時間の長さは中ぐらいで、かなり豊かなフレーバーが得られます。そして銅との接触は少ないのがグレンキンチーの特徴。2基あるスチルはどちらも容量が大きくて、肩幅やネックも広く造られています。さらにラインアームは下向きなので、実に幅広いフレーバーのプロフィールが得られるのです」
グレンキンチー蒸溜所のビジター体験【後半/全2回】 | WHISKY Magazine Japan 引用
グレンキンチーの味わいの特徴である「フローラルな香り」は周囲の環境が大きく影響しているのではないでしょうか。
蒸留所の駐車場からエントランスまでは美しい庭園が広がり、さまざまな果樹や植物が植わっており四季が感じられるようになっています。
また、庭園にはミツバチの巣箱がありハチミツまで採取できるというから驚きです。
蒸留所見学ツアーは、何種類も用意されていますが、スタンダードなコースで2時間・£45(約7,000円程度)です。
珍しいところでは、「Midsummer Night’s Dram」という特別企画を行っており(2022年7月現在)夜の蒸留所を見学する3時間のコースで、£110(約18,000円程度)となっています。
蒸留所見学ツアーはこちらから
ツアーの最後にはシングルモルトの試飲はもちろん、グレンキンチーがジョニーウォーカーのキーモルトのひとつとなっていることから、ジョニーウォーカーゴールドラベルなども頂けます。
このテイスティングルームがすばらしい設備で、きれいな庭を見下ろしながら地元産の食材を使った料理なども楽しめます。(有料です。)
これは絶対行ってみたいね!
ツアーの最後はおみやげですよね!
蒸留所のショップといえば、限定品の販売ですよね。
グレンキンチーでも、定番商品であるグレンキンチー12年やグレンキンチー・ディスティラーズ・エディション以外に限定品も多数販売しています。
例えば、蒸留所とエディンバラにあるショップでしか購入できない「グレンキンチー・タトゥー」(2019年発売)や16年熟成ボトル・24年熟成ボトルもあります。
また、自分だけのボトルにウイスキーを瓶詰めすることもでき、これは蒸留所ならではの体験でしょう。
歴史
グレンキンチー蒸留所は1825年、農家を営むレイト兄弟によって設立されました。設立当初の名称はミルトン蒸留所としており、原料の大麦は自ら栽培したものを使っていました。
1837年 | 「グレンキンチー蒸留所」という名称になる |
1853年 | レイト兄弟が破産してしまい、蒸留所は売却され製材所となる |
1881年 | ブレンデッドウイスキー(スコッチ)の人気が高まり需要増に注目したエディンバラの投資家たちが共同で蒸留所を買収・再建し、グレンキンチー・ディスティラリー・カンパニーとして再開 |
1890年 | 再建計画の一環として現存する赤レンガの建物を建築 |
1914年 | ローランドにある蒸留所4軒とともにスコティッシュ・モルト・ディスティラーズ(SMD)を設立 |
1925年 | SMDはディスティラーズ・カンパニー・リミテッド(DCL)によって買収 |
1968年 | フロアモルティングを廃止し、製麦設備をモルトウイスキー製造博物館に改修 |
1988年 | DCLを買収・統合したユナイテッド・ディスティラーズ(UD)からクラシックモルトシリーズがリリースされ「グレンキンチー10年」がローランドを代表して選出される |
2013年 | ワールド・ウイスキー・アワードのベストローランドシングルモルトに「グレンキンチー12年」が選出 |
飲みながら読んだ本
タイトル | 仕事はたのしいかね? |
著者 | デイル・ドーテン |
出版社 | きこ書房 |
発売日 | 2001年12月1日 |
読書メモ
書いてあること
・遊び感覚でいろいろやってみて、成り行きを見守ろう。
・失敗に終わった数えきれないほどの経験が消えてなくなるわけではない。
・毎日チャレンジを続けなければならない。
・適切な時、完璧な機会なんてものはない。
読みやすいように、色々な事例を挙げて説明されているので、わかりやすい。
常にチャレンジをすることの大切さを学べる。
まとめ
グレンキンチーは、スモーキー感はなくフローラルな甘みで麦本来の味わいが楽しめるウイスキーです。
初心者にも飲みやすく、スモーキーなウイスキーが苦手な方にもおススメできます!
ローランドのウイスキーをまだ飲んだことがないという方は、是非お試しください。
コメント