200年以上前から変わらない姿で立ち続けるオーバン蒸留所。
大手ウイスキーメーカーの傘下になった今でもウイスキーづくりは当時の製法を守っています。
そんなオーバン蒸留所の魅力は、7人の男達によって全てのプロセスが守られ、受け継がれているところではないでしょうか。
どことなく無骨で海の香りが感じられ、しかし繊細で風味豊かなオーバンを味わってみてはいかがでしょうか!
オーバンの特徴を簡単に・・・
- クラッシックモルトシリーズ
- 変わらぬ伝統とおいしさ
- 海を感じたい方に・・・
テイスティングメモ
テイスティングメモ
2022.12.10
7,400円(試飲400円込み)
リカーマウンテン銀座777
開栓と同時に柑橘系の香りが広がる
ストレートで飲んでみる
柑橘系の香りとスモーキーな味わい
サラッとした軽めのボディだがオイリー感も若干ある
オレンジ・グレープフルーツ・レモンなどの柑橘系の香りと味わい、最後にくるハチミツのような甘みがクセになるおいしさ!
そこに若干の潮っけが最高ですね!
トゥワイスアップで飲んでみる
甘みが消えて潮っけ、いわゆるブリニーな味わいが強くなる
ストレートがベストかな・・・
ハイボールで飲んでみる
ハイボールにすると、爽やかさが格段にUP!
食中酒、とくにお刺身などの魚介類との相性は抜群!
ハイボールもかなりおいしいですね。
おススメはやはりストレート。
柑橘系の爽やかさと適度なピート感
そして、甘みが広がって幸せな気分に浸れます!
クラッシックモルトシリーズ
オーバン蒸留所の主力ラインナップであるオーバン14年は、クラッシックモルトシリーズの1つとなっています。
クラッシックモルトシリーズとは、ユナイテッド・ディスティラーズ(UD社)が1988年に提唱したスコッチ・シングルモルトウイスキーのシリーズです。スコットランドの各地域のウイスキーが6本選ばれており、初心者でウイスキー選びに迷ったときは頼りになる存在です。
- ダルウィニー (ハイランド 内陸)
- オーバン (ハイランド 海沿い)
- グレンキンチー (ローランド)
- ラガヴーリン (アイラ島)
- クラガンモア (スペイサイド)
- タリスカー (アイランズ)
蒸留所について
ロケーション
オーバン蒸留所はハイランド地方の西端、アイランズモルトの島々が並ぶヘブリディーズ諸島の玄関口として栄える港町です。
蒸留所の目の前はオーバン湾。
昔は海岸線に立地していたという蒸留所ですが、港の拡張にともない、現在は海まで208歩となっています。
蒸留所設立当初、現在の場所には街と呼べるものはありませんでしたが、設立者のスティーブンソン兄弟が街の発展に尽力し街は大きくなりました。
街より蒸留所の方が先に建ってたんだね!
街は様変わりしましたが、蒸留所は設立当初のままで敷地面積46,069平方フィート(4,300㎡、1,300坪)です。
この敷地にスチルが2基というスペックは、スコットランドの蒸留所の中でも最小の部類に入ります。
ディアジオ傘下の蒸留所ですが、本当に小さい蒸留所です。
オーバンの街並みの真ん中に見える黒い煙突がオーバン蒸留所。
蒸留所の後ろにまで崖が迫っていて前は海という立地で、拡張できなかったらしい。
街並みは港町ですが、漁村という感じではなくリゾート地のようなきれいでオシャレな街並みですね!
ホテルやレストラン・カフェなどが建ち並んでいます。
マル島のトバモリー蒸留所へ行く際は、オーバンを拠点に行くことになりそうですね!
特徴
オーバン蒸留所は、1794年の設立以来200年以上もの間、敷地の拡張や移転をしていません。
ウイスキーづくりも当時の製法をしっかりと受け継いでおり、200年前から2つのスチルで作られていました。
ウォッシュバックでは110時間かけてゆっくり発酵させ、フルーティーで軽やかな味わいを作り出します。
スタンダードボトルのオーバン14年の熟成にはアメリカンホワイトオーク樽を使用しています。
この蒸留所は伝統を大切に守り抜いているということも素晴らしいのですが、200年以上もの長い歴史のなかでほとんど休止期間がないというのも特筆すべき点ではないでしょうか?
それはホントにすごいことだね!
スコットランドの多くの蒸留所は、禁酒令や大恐慌・戦争なので閉鎖や休止を余儀なくされてきました。
しかし、このオーバン蒸留所は稼働し続け、今でも年間3週間のメンテナンス期間に閉鎖されるだけで49週間もの間稼働しています。
社員さんは7名ほどの小さな蒸留所ですので、体に気を付けてもらいたいです。
ホントにありがたく飲ませて頂きます!!
ツアー
ツアーは、£22(3,500円程度)で行われています。
ディアジオ傘下の蒸留所ですので、施設は整備されツアーも充実しています。
ビジターセンターやショップも小さいながらも充実しているようです。
ツアーは、こちらから。
歴史
1794年 | ヒュー・スティーブンソンとジョン・スティーブンソン兄弟によって設立される |
1830年 | ピーター・カンプスティーが買収 |
1925年 | DCL社が買収 |
1930年 | SMD社が買収 |
1979年 | シングルモルト12年をリリース |
1989年 | クラシックモルトとしてオーバン14年をUD社がリリース |
一緒に読んだ本
タイトル | お金の流れでわかる世界の歴史 |
著者 | 大村 大次郎 |
出版社 | KADOKAWA |
発売日 | 2015年12月11日 |
読書メモ
歴史が動くとき、お金の流れに綻びができていた。
それは、古代エジプト・古代ローマから始まり、ナポレオン、そして現在に至るまで同様である。
国が栄えているときは、徴税システムがうまく回り、役人も私腹を肥やすことはしない。
しかし、一たび綻びが生まれるとそこから拡がってしまう。
国が滅びるとき、必ずと言っていいほど徴税システムが機能していない。
現在の日本は大丈夫だろうか?
少し変わった視点で歴史を見てみる、そんな機会を与えてくれる本。
歴史好きにも、経済好きにも楽しめる。
まとめ
正に、街と共に発展してきた蒸留所。
小さいながらも稼働し続けることで、存在感を発揮している蒸留所です。
西ハイランドを代表する銘柄だけあって、しっかりした飲みごたえと伝統を感じる味わいは秀逸です。
海を感じたい時、手に取ってみてはいかがでしょうか。
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